まちづくり条例による葬祭場等設置の規制はここまでできる!(その3)〜練馬区の事例から〜

【4】住民・事業者双方の意見交換の明文化

 ・住民は、当該建物の建築等についての意見書を公に事業者に提出できるようになっていて、その写しを区長に送付するので、区長も住民の意見を「公に」知ることになります。
 ・また、受け取った区長は、第64条第1項に規定するまちづくりの計画ならびに第11節および第12節に規定する基準等に照らし、区の意見を事業者に書面で提示し守っていなければ「指導」します。 
 さらに、この意見に対して、事業者は、見解書を提出することを義務付けていて、ただ言ったとか受け取ったという形式的なものではなく、住民、事業者双方が、責任ある立場で、公式にやり取りをするしくみになっています。
 

(特定用途建築物の建築等に係る意見書の提出)
第65条 近隣住民は、前条第2項の規定による公表の日から起算して7日以内に、申請の概要について意見書を事業者に提出することができる。
2 近隣住民は、前項の場合において、意見書の写しを区長に送付するものとする

(特定用途建築物の建築等に係る協議における指導)
第66条 区長は、第64条第2項の規定による公表の日から起算して10日以内に、事業者に対して第64条第1項に規定するまちづくりの計画ならびに第11節および第12節に規定する基準等に照らし、必要に応じて建築等に係る区の意見を当該事業者に書面で提示するものとする。

(特定用途建築物の建築等に係る意見書に対する見解書等)
第67条 事業者は、第65条第1項の規定による意見書の提出および前条の規定による区の意見の提示があったときは、これらの意見について、見解書を近隣住民および区長にそれぞれ提出しなければならない。
2 事業者は、前項の規定により近隣住民に見解書を提出したときは、その写しを区長に送付するものとする。
3 区長は、第1項の区の意見に対する見解書および前項の近隣住民に対する見解書の写しを公表するものとする。

【5】協定締結と公表の義務化

 ・区と事業者の協定書締結を義務付けるとともにこれを公表することも義務付けています。
 

(特定用途建築物の建築等に係る協定の締結等)
第68条 区長および事業者は、第64条第1項の規定による協議が整ったときは、当該協議の内容を記載した書面を作成し、協定を締結しなければならない。ただし、規則で定める場合については、この限りでない。
2 区長は、第64条第1項の規定による協議が終了したときは、協議終了通知書を作成し、事業者に通知するとともに、これを公表しなければならない。
3 事業者は、建築基準法、練馬区中高層建築物等の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例、東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例その他開発事業に関する法令または条例に基づく申請、届出等を行う前に協議終了通知書の交付を受けなければならない。


【6】申請後から協議終了までの間に計画変更がある場合に、区長への届け出を義務付けています。

(特定用途建築物の事業計画変更の申請等)
第69条 事業者は、第64条第1項の規定による申請後から前条第2項の規定による協議終了の通知を受けるまでの間に、事業計画を変更しようとするときは、遅滞なくその旨を区長に届け出なければならない。
2 事業者は、前条第2項の規定による協議終了の通知を受けた後に事業計画を変更しようとするときは、変更の内容等を記載した書面により区長に申請し、協議しなければならない。
3 区長は、前2項に規定する場合において、必要があると認めるときは、事業者に近隣住民に対する説明会の開催を命じることができる。ただし、規則で定める軽易な変更については、この限りでない。
4 区長および事業者は、第2項の規定による協議が整ったときは、当該協議の内容を記載した書面を作成し、協定を締結しなければならない。ただし、規則で定める場合については、この限りでない。
5 区長は、第2項の規定による協議が終了したときは、変更協議終了通知書を作成し、事業者に通知するとともに、これを公表しなければならない。