配られたパンフレットに記載されていた特徴は3つ。
【環境にやさしい】
これまでのダイオキシン濃度の高かったごみ処理から、高温でごみを燃やすことにより法規制値0.1ng—TEQ/㎥以下になっているそうです。他の公害防止基準も、法規制値を大幅に下回る値になっていました(パンフレットより)。
これらの数値は、近々、HP(「東京23区清掃一部事務組合」)上で公開されるそうです。ダイオキシン濃度についても公表するそうです。
【まちづくりとの調和】
清掃工場は多摩川ベリの下丸子2丁目に建っていますが、近隣には、マンションが多く、こうした近隣住人への配慮から、周辺の環境にマッチしたデザインとともに、屋上緑化・壁面緑化・太陽光発電・風力発電も採用されていました。
【循環型社会づくり】
ごみ焼却によって発生する熱エネルギーを利用しての発電や大田区矢口区民センターへの温水の供給。そして、最終的に発生するスラグ(固形物)は建設資材として利用するそうです。
こうしてみると、毎日排出されるごみが、安全に、そしてまた、環境にやさしい施設で処理されているので安心と思われるでしょうか。
環境に配慮してもばいじんや塩化水素、硫黄酸化物、窒素酸化物、ダイオキシンは0にはなりません。また、採用されていた屋上緑化・壁面緑化の緑、太陽光発電・風力発電による発電量は、ほんのわずかでした。
循環型社会づくりとして焼却熱の利用やスラグの利用が上げられていますが、焼却熱利用は最優先であるごみの再生利用の次に位置づけられるものですし、スラグは副次的な産物の有効活用でしかありません。
発生してしまったごみを、如何に安全に処理するかということは大変重要なことです。最新の技術を駆使して処理ができるようになったということは、ダイオキシンを撒き散らしていた処理方法から比べれば、前進と言えます。
しかし、こうした施設ができることによって、使い捨てを助長してしまうのであれば、全く意味がありません。
まずは、ごみの減量(リデユース)、そして、リユース(繰り返し使う)、リサイクルに重点をおき、ごみの処理問題に取り組んでいかなければなりません。