90%以上のエネルギーが無駄に捨てられることになる熱回収が果たして「リサイクル」と呼べるのでしょうか。
熱と電力の両方、あるいは熱だけを回収するヨーロッパのごみ焼却炉は、熱とエネルギー双方の回収率が75%以上ときわめて高い効率です。給湯配管を敷設して地域暖房や厨房・風呂などに温水を活用し75%以上の熱回収をしているドイツなどと日本のごみ焼却炉とは大きな開きがあります。
ちなみにドイツではごみ焼却を原則として禁止しており、ごみを焼却する場合は75%以上のエネルギー回収を義務付けていますが日本にはドイツの基準に適合する都市ごみ焼却施設は一基もありません。
プラスチックを焼却すれば、環境への影響や安全性の問題が生じるとともに、薬剤など公害防止の維持管理費も増大することが予想されます。現在、大田第二工場は、プラスチックを燃やしています。そのため第二工場の排ガス中に含まれるダイオキシン濃度は他の工場の濃度より二桁=100倍以上も高い数値を示しています。可燃ごみにプラスチックが含まれることになれば、現在可燃ごみを焼却している清掃工場の排ガス中に含まれるダイオキシン濃度は、第二工場と同じになるとはいえませんが、少なくとも現在のダイオキシン濃度よりも全工場ともに高くなることが容易に予想できます。
また、廃プラスチックに限らずごみを燃やすということは二酸化炭素をはじめ窒素酸化物などの温室効果ガスの排出が促進されるということで、焼却の拡大は地球温暖化の促進にもつながります。日本は昨年2月に発効した京都議定書に基づいて6%の二酸化炭素の削減が義務付けられていますが、廃プラスチックを焼却すればこの方針に反することになります。