放射能が検出された下水汚泥とごみ焼却灰処理に求められる安全対策とは(その1)

その2

下水汚泥から高濃度の放射性物質がが検出され問題になっています。
また、最近では、清掃工場の焼却灰から、やはり、高濃度の放射能が検出されていることが公表されています。

大田区には、下水処理施設として「森ケ崎水再生センター」と「南部スラッジプラント」。そして、ごみ焼却のために「「多摩川清掃工場」と「大田清掃工場」があり、その影響が心配されるところです。

報道を通じて知った高濃度の放射能検出ですが、その後、どうなっているのでしょうか。

放射能が検出されたという報道はありますが、南部スラッジプラントも、清掃工場も通常通り稼働しています。放射能が検出されましたが、安全策はどうなっているのでしょうか。

今日は、下水汚泥とごみの焼却に関わる放射能の問題について報告します。

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■下水汚泥の処理■

大田区、世田谷区、目黒区、品川区の生活排水と、雨水の一部は、下水管を通じ森が崎の水再生センターで浄化されています。

下水処理場に沈殿した汚泥は、これら4区の生活排水と、この地域の地表の土やチリが雨と一緒に下水に流れ込み、たい積したものです。

下水は森ケ崎の水再生センターで、微生物により分解されたのち、沈殿した固形物である汚泥は、太い下水管で、隣の埋め立て地「城南島」に送られ、そこにある「南部スラッジプラント」で脱水処理された上、焼却(=減量化)されています。

城南島にある「南部スラッジプラント」で焼却される汚泥は、都内の下水汚泥の3割にあたそうです。

大田区・世田谷区・目黒区・品川区の4区の下水汚泥とその焼却灰に加え、新河岸水再生センター、みやぎ水再生センター、東部汚泥処理プラント、葛西水再生センターの4カ所で焼却処理された汚泥の焼却灰は、城南島スラッジプラント内の施設に運ばれ、飛散防止のためセメントと水を混ぜて固め、中央防波堤の埋め立て処分場で埋め立てられています。23区のほとんどの下水汚泥の焼却灰が、大田区城南島のスラッジプラントに持ち込まれ処理されています。


■汚泥と焼却後の灰から高濃度の放射能■

東京都の調査で、焼却灰の仮置き場所となっている棟内の空気中で毎時2・693マイクロ・シーベルト。また、焼却灰から1万540ベクレル/Kgの放射性セシウムが検出されました。

その後も脱水処理された汚泥と、焼却後の灰からは高濃度の放射能量が測定されています。

下水道局は、施設内における放射線量の高い一部エリアでは安全策を講じている。敷地境界での空間線量は低く都内の他の地域と変わらないので周辺環境には影響ない。排ガスは、煙突から排気される前にフィルターで除去したのちアルカリ水により洗うことで固形物を99.9%以上回収している。

下水処理した水も、ベータ放射能による測定を行い1.5Bq/Kgと1.7Bq/Kg。他は不検出。と説明しています。