だから進まない大田区議会改革◆理由も不要◆「議場の資料配布は不要」議会運営委員会

議場での資料配布を希望しましたが、資料も見ず不許可となりました。
そこで、大田区議会の議会運営にかかわる内容を審議する議会運営委員会にその理由について明らかにするよう求めましたが、理由を明らかにすることもしませんでした。


先日、議会運営委員会の資料配布についてのご報告をしたところ、議会運営委員会のメンバーについても知りたいというご要望がありましたので、現在の委員会構成についてご報告します。

【議会運営委員会】
委員長   : 田中一吉(自民党) 副委員長:秋成靖(公明党)              岸田哲治(自民党)              松原茂登樹(自民党)              伊藤和弘(自民党)              冨田俊一(公明党)              岡元由美(公明党)              山崎勝広(民主党)              佐藤伸(共産党)              大竹辰治(共産党) *オブサーバー              高瀬三徳(自民党:議長)              松本洋之(公明党:副議長) 


 

議会運営委員会は、交渉会派と呼ばれている3人以上の会派からしか委員を出せないことになっています。 そのため、委員は、自民党・公明党・共産党・民主党の4つの会派の議員10人で構成されています。大田区議会は、定数50人で、自民党16人、公明党12人、共産党9人、民主党6人で、それ以外に、ネット2人、みんなの党2人、無所属1人、みどり1人、たちあがれ日本1人。
交渉会派に所属する議員は43人ですが、それ以外の7人の意見は議会運営委員会には反映されにくいしくみです。
先日、9月20人の本会議場での私の質問の際に、資料配布を求めるため、議会運営委員会に事務局を通じ諮ったところ、資料の内容も確認せず、議会運営委員会では判断を議長にゆだね、後日議会運営員会を通じ、議長が認めないと連絡がありました。
そこで、議会改革を標榜していながら、議論を深めるための資料の配布について議会運営委員会で検討もせず、「資料配布不可」とした理由を明らかにするため、「委員外委員の発言」によって議会運営委員会に直接諮りました。
委員外委員の発言とは、委員会に出席している委員がいない会派の議員の発言の権利を行使できる仕組みで、発言を求められた場合には、委員に諮ったうえで発言を基本的認めるしくみです。
ところが、この仕組みを使って
「私、奈須りえの9月20日の質問に際し、議場での資料配布を希望地真下が、議会運営委員会として資料も確認せず、議長一任としたうえで、配布を認めなかった理由について、議会改革をするといっている大田区議会としてできなかったのはなぜか明らかにしてください」
と発言しましたが、
委員からは何の意見も無いままに、委員外委員の発言は許可されませんでした。 賛成したのは、佐藤委員(共1産党)大竹委員(共産党)のみ、他は全員反対でした。


政治機能していない根本には、こうした議会運営の問題もあります。 資料配布を許可しない大田議会の一連の対応をみていて感じる大田区議会の問題は以下のようなことです。

 

①少数意見を排除する
   議会運営を決定する場である議会運営委員会に置いて、少数会派の意見を吸い上げる仕組みがありません。制度上認められているしくみも、活用しようとしない議員が多数であれば、絵に描いた餅にしかすぎません。

②きちんと議論しようとしない
   議会は言論の府であり、賛否は分かれるものの、その前の発言は、公序良俗に反する、あるいは、議会運営上好ましくないものを除き基本的に排除されるべきものではありません。    しかも、議論するにあたり、議員間あるいは、議員と行政との理解や議論を深めるために資料を使うことさえ認めない理由は一体なんでしょうか。        私は、議会の大きな課題の一つに、行政の作った論理を無批判に受け入れる部分があると考えています。行政の無謬性と行って、行政は「間違えない」「正しい」とされてきました。    行政が、「良好です」「問題ありません」としてきた大田区政において、400人の保育園の待機児がいて、1,800人の特別養護老人ホームの待機者がいて、生活保護世帯は増え続けるのは、外的要因だけでしょうか。外的要因も含め対応してこなかった行政に問題は無かったでしょうか。   その行政をチェックし、政策提案すべき議会は何をしてきたのでしょうか。
  だからこそ、議会も自ら考え行政に提案できる力が必要です。
  委員会で行政の報告の際に資料配布を要求する議会が、議員間の議論において、資料は不要と判断した議会運営委員会メンバーは、議会での議論をどう考えているのでしょうか。
③判断の理由を明らかにしない
    議会も行政も自らの判断・決定の理由・根拠を明らかにする説明責任を持ちますが、その責任を果たせているでしょうか。          結果だけを表面的に広報してきたのが、これまでの大田区議会ではないでしょうか。     区議会だよりに掲載される情報は、議会での議論のほんの一部でしかありません。議案の成立過程で指摘されている問題点については一切区議会便りに掲載されることなく、賛成者多数で議決された結果だけが報告されるのです。     予算も決算も、その態度についてだけ。大田区において、なぜ、賛成し、なぜ反対したかを区議会だよりに掲載できるのは「交渉会派」と呼ばれる自民党・公明党・共産党・民主党だけ。生活者ネットワークがなぜ反対したのか知ることができるのは、私の区議会レポートをご覧になる方とブログをご覧になっている方たちだけなのです。
    私たちは、表面的に大丈夫だと説明を受けてここまで来ています。
    いくら広報しても、大丈夫だと繰り返しても現実は変わりません。そして、大丈夫だと言い続けることが事態を悪くせよ好転させることは無く、さらに事態を改善することが困難にします。