使いすぎ!多すぎ!大田区の海外親善・海外視察2019年度だけで1845万7千183円!議員50人中23人

大田区議会では、海外のへの視察・訪問が毎年行われ、訪問箇所も4か所にもおよんで、多額の費用を使っています。

今年度の予算で、セーラム市555万6千600えん、大連市98万2千79円、区政施策調査(アジア・欧州)合わせて1191万8千504えん、総計1845万7183円になります。

ところが、大田区議会は、多額の予算を4か所もの視察と親善訪問に使う一方で、前期から、区内の調査を区議会事務局にさせないことを申し合わせています。

区政を良くするためには、まず、課題を知ることから始まります。そうした意味では、まず、区政を調査し、その課題を明らかにする、区内調査のための調査費用を優先すべです。

区内調査が十分できる環境を整えてから、海外親善や調査を行うべきではないでしょうか。

1845万7183円あれば、調査のための職員を増やすことも可能です。

しかも、大田区は、毎年海外親善・調査で4か所も行き、今年は、議員50名中23名が参加します。親善・調査の箇所を減らすだけでも、調査を充実させることもできます。

厚生労働省は先日9月6日、所得格差を表す代表的な指標「ジニ係数」の2017年調査結果を公表しました。年金など社会保障給付を含まない当初所得(世帯単位)は0.5594。過去最大だった14年の前回調査より0.011ポイント改善しましたが、依然高水準にとどまっていて、17年高止まりと公表しています。当初所得の格差拡大が問題の中、格差を是正する社会保障を給付する責任主体である大田区の議会が、海外に50名の定員中約半数の議員を派遣していることは、区民感情から受け入れられないのではないかと思います。

だからと言って、私は、視察の全てを否定するものではありません。

効果のある視察のやり方というのもあると思っています。

今、特に、日本と韓国が、外交上残念な事態に陥っています。昨日、公明党の質問にありましたように、海外との玄関口にある大田区こそがこうした時に、自治体として、議会として、市民として粘り強い関係性を構築すべきと考えます。そうした親善のありかたもあると思います。

格差の問題や民営化・自由貿易協定による弊害など、韓国と日本には、抱える共通の問題があり、それらに対し、韓国が効果ある政策を打ち出し始めていることを知り、視察先に韓国を提案した時には、お答えいただけませんでした。

そこで、私は、議会ではなく個人で、昨年2回、一昨年1回、韓国ソウル市を訪れ、調査を行っています。

特に、グローバル化が進む中、海外の事例を知ることにより、将来の日本を予測することも可能で、悪い方向に向かうことを警告し、改善策を提案することにつながります。

ヨーロッパで水道はじめ、自治体の様々な事業が民営化から、再公営化に流れが大きく変わっている状況や、これから日本で、さらに進めようとしているPFIについて、イギリス会計検査院が2018年1月に、コストが高いことを指摘していることなどに関心を持っています。

こうした、海外の事例を議会で学ぶことで、情報を議会で共有したいと思い今年も視察について提案しましたが、今の議会の海外調査の決め方では、議会としての調査にならないと思います。

ひとつに、

議会で調査課題を決めず、各視察メンバーの希望をかなえる形で視察個所を決めるからです。希望先に行けても1日か半日しか調査できません。これでは、調査内容は深まりません。

そもそも、議会の中で反対がある中、一部の会派だけでの視察は、議会で派遣されるにも関わらず、議会としての課題を共有し、調査しているわけではありません。

なぜこうしたことが起きてしまうか、考えたのですが、そもそも、大田区議会において、少数意見を尊重する議会運営や政策議論が行われていないからではないでしょうか。

日ごろから、大田区議会として、政策議論ができていないまま、視察に行っても、多数派の議会活動のために議会費が使われることになります。

少なくとも、考えが違ったとしても、議論できる状況を作るべきだと思います。

先日、総務財政委員会において、私の発言時間をわざわざはかり、長いという指摘がありました。

私は、他の方の発言の機会を奪ったわけではありません。

発言しない委員、発言時間の少ない委員に合わせて、発言を短くすることが大田区議会の議論ではないと思います。

一方で、少数意見の発言を制限しながら、一緒に視察に行くなど、到底考えられることではありません。

区内調査をしないにもかかわらず海外の調査を優先し、所得格差が高止まりする中、行先も多く、課題についての議会での議論も不十分なまま、そもそも、少数意見を尊重できない議会が、行う視察や親善訪問に、議会費を使うべきではありません。

今のままの海外親善も調査も問題があり、賛成できません。