ひとつは、運営受託です。
清掃工場の運営経費削減のために民間委託したいが、メーカー系列以外に適当な委託先が無く、メーカー系列に委託すると競争原理が働かず経費が高止まりになる恐れがあるというのが、委託先として「新会社」を設立する理由です。
「新会社」は、一組の退職者、東京ガス、他のメーカーなど民間企業のプラント運転経験者を活用することにより15〜20%の経費削減を想定しています。
「新会社」の競争力がつくまでの一定期間は随意契約により仕事を確保し、順次競争原理を導入しつつ受託工場を拡大していくというのがその具体的推進方法です。
「新会社」は来年から5年間で6清掃工場の受託を見込んでいます。
国は、随意契約削減に目標値を示し取り組みはじめています。
公正な競争市場を創出することを目的に「新会社」を設立しながら、メーカーと新会社が清掃工場ごとの受託先の住み分けを想定しているこの事業は、公正な競争市場の創出とは程遠いものです。
一組退職者などを活用し人件費が15〜20%削減されるのであれば、初めから現在行われている競争入札に参入すればよいのであり、随意契約により一定期間「新会社」に優遇して運営を委託する必要はありません。しかも、この退職者の人件費を再雇用・再任用職員と比較したデータも全く示されていません。
現役を引退したはずの退職高齢者が主体の会社で、24時間稼動する工場を運営できるほどこの事業は簡単なものでしょうか。
あるいは、天下り先にはならないのでしょうか。
一組のプラント運転経験者だけでなく東京ガスや民間企業プラント運転経験者を活用することを想定しているのであれば、民間企業が100%出資して、そうした企業を作り参入する。或いは、一組が100%出資し、その中で民間の人材を確保すればよいのではないでしょうか。
しかも運転事業は、売電事業とは相乗効果の期待できるものではありません。「新会社」が売電事業と一体で行うことは、各事業の採算性を曖昧にすることになります。