それでは、私たち市民は、「選挙」という代理人を選ぶ方法でしか原発の是非に関与することができないのでしょうか。
岩波新書「住民投票」、集英社新書「原発」国民投票の著者でジャーナリストの今井一さんからの講演をうかがいました。
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確かに、国において国民が意思決定に関与できるのは、「国民投票」による憲法改正に限られています。
しかし、地方自治体は違います。
これまで、様々な問題・課題について、地方自治体住民は、「直接請求」というかたちで、その住民意思を明らかにしてきました。
市町村合併・基地跡地活用・原発設置・・・・
「住民投票」で表した意思は、たとえ、それを首長や議会が反故にしたとしても、結果として住民意思が尊重される形でその後推移していることは、過去の事例が示しています。
名護市のヘリ基地建設について、名護市民はNOを突き付けましたが、市長はOKしてしまいました。それでも、未だに名護市にヘリ基地はできていないのです。
住民意思が尊重されることは、歴史が証明しています。
この直接請求により、東京電力管内の原子力発電所の稼働についての是非を問う都民投票条例を作り、私たち「市民が原発の是非について意思表示をしよう!」というのが、今井一さんをはじめとした市民グループの動きです。
なぜ、直接請求、住民投票なのか
①原発の是非は、憲法9条に匹敵する重要事項だが、国民投票は「憲法改正」しか行えない。
原発の是非について「国民投票」するには憲法改正が必要。
②総選挙で原発の是非を問のでは間に合わない。問うても国会議員はみな推進派。
住民と決定機関である議会の意思のかい離。折り合いがつかなければ、住民が直接決めればよい。
③新聞各紙で「大事なことは国民が決めるのか、国会で政治家に任せるのか」
というアンケートをすると、大体、75〜80%の人が前者を選ぶ。
住民投票に期待すること
①原発に対する議論が深まる。
②住民が自分で考える。
③主権者としての責任を果たす良いチャンス。
東京、大阪など、電力大消費地が、原発の是非について考え、決めることに意義があります。
原発建設地は、疲弊した地域経済を背景に、経済的理由=固定資産税、補助金、補償金、工事、雇用と引き換えに原発容認を選択せざるを得ない状況に追い込まれています。
消費地である東京が、大阪が、主体的に、エネルギー政策、都市一極集中と地方都市の自立について真剣に考える必要があります。
「住民投票」を衆愚政治とする考えもあるようですが、これまでに「住民投票」結果が衆愚になった事例は無いと今井さんは指摘します。
むしろ、住民の意思決定への直接関与の道を作ることは、首長や議会への抑止力になると言っていいでしょう。
■必要署名数 都民21万4000人(東京の場合)
■署名を集める受任者を募集しています。(東京都民・大阪府民であればどなたでもなれます)
連絡先 大田・生活者ネットワーク 大田区蒲田4-42-3イースタンコーポ302号
電話 03-6424-7561 FAX 03-6424-7562
oota@seikatsusha.net
■11月12日(土)キックオフ集会 17時〜19時30分
YMCA アジア青少年センター(水道橋徒歩5分)
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直接請求には2つの種類があります。
首長や議員の解職、議会の解散を求める直接請求。
有権者の1/3の連暑をもって、選挙管理委員会に請求。
YESなら議員首長が辞職・議会が解散
NOなら辞職(解散)せず、住民投票の実施
今回はこれ↓
条例の制定改廃を求める直接請求
有権者の1/50の連暑をもって、首長に請求
この案を議会が審議する。
YES 可決・修正可決
NO 否決