安易なプラスチックの焼却は、これまで進めてきたリサイクルを後退させ、焼却ごみ量を更に増やすことにならないでしょうか。
埼玉県越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、草加市、松伏町の5市1町でつくる「東埼玉資源環境組合」清掃工場は「ごみを使った火力発電所」を売り物に1995年に竣工しましたが、各自治体が分別なしで最初からプラスチック、紙、木など高カロリーごみを焼却したところ、炉に「クリンカー」と呼ばれるべとべととした付着物がつき、炉がオーバーホールしてしまいました。その間もごみは運び込まれ、処分できなくなったごみを6億6000万円かけて三重県の上野市の産業廃棄物処理業者に運び処理するという事態を招いたそうです。
「サーマルリサイクル」による熱回収は、マテリアルリサイクル(再生利用)をした上で最終的な選択として取り組むべきもので、サーマルリサイクル(焼却による熱回収)が一人歩きすれば、埼玉県のような事態を引き起こしかねません。