プラスチック焼却とリサイクルへの大田区も含めた各区の姿勢

23区区長へのヒアリングと代表質問を終えて

 この夏、23区の生活者ネットワークは、廃プラスチックの焼却の方針と新会社の設立についてどのような姿勢で取り組むのかヒアリングを行いました。(「23区廃プラ焼却・新会社調査結果」参照/写真は杉並区長との懇談場面)

 現在の段階で、プラスチック製容器包装の収集を行っているのは、中野、杉並、豊島区。新宿区と江戸川区も2008年度からのプラスチックのサーマルリサイクル実施にあわせ収集を行います。
 
 この間、議会質問やヒアリングを通じ、大田区長の考えを聞いていますが、大田区では、プラスチック製容器包装の分別収集について、まったく考えていないのが現状です。
 
区長はその理由として、以下のように答えていますが、それに対し、私がどのように考えるかを併記しました。

【区長】汚れたプラスチックのリサイクルはできない。
《奈須の意見》分別のための啓蒙を行うことで汚れたプラスチックの混入を防ぐことを考えるべき。また、リサイクルに適さないものまでリサイクルするのではなく、リサイクル可能なもののリサイクルに取り組めばよい。

【区長】プラスチックは石油からできているので燃やせばよく燃える。清掃工場では、ガスや灯油を助燃材としてごみを燃やしているが、プラを混ぜれば、ガスや灯油がその分助かる。
《奈須の意見》プラスチックを燃やせば、焼却費用が当然かかる。また、その分有害物質(ダイオキシン)などの対策が必要になる上、炉のレンガ交換頻度が高くなる、メンテナンスの回数が増えるなど、プラスチック焼却に伴うコストアップについてはまったく触れられていない。
 また、焼却ごみ減量に伴う設備費用の削減についての検討が無く、検討のすべてが、現設備を維持した上での計画となっている。

 議会においても、他区での取り組み事例や、リサイクルをした場合の清掃工場の設備計画の変更。コスト比較の提示。一組経営の様々な不透明性を廃し、各区の参画を具体的にどのように進めていくかといった問題について質問しました。

 しかし、事前に定められた通告をしていたにもかかわらず、区長は、リサイクルをしない理由など、質問していない部分の答弁に大半終始し、肝心な部分への答弁を避けたのは非常に残念でした。