23区の粗大ごみと事業系ごみの手数料値上げ議案の問題点

第三回定例会で議決

今回の議会に、粗大ごみと事業系ごみなどの手数料値上げの条例が上程されました。
 
 私は反対しましたが、賛成多数により可決。来年4月から粗大ごみと店舗などがシールを貼って出す事業系ごみの料金が上がることになります。
 
 手数料をあげなければならない理由はなんでしょうか。値上げの算出根拠はどうなっているのでしょうか。

 区からは、粗大ごみや事業系ごみの値上げが行われると説明があったものの、実際の粗大ごみが、たとえば本棚だったらこれまでこのくらいの大きさでいくらだったものがいくらになるとか、事業系ごみのゴミ袋45リットルあたり、いくらだったものがいくらになるといった具体的な料金改定額は示されませんでした。
 
 代表質問でも明らかにしていますが、大田区では、ごみ削減と効率化の努力の結果、収集・運搬にかかわる経費削減を行ってきています。
 効率化による経費削減が行われているにもかかわらず、値上げをしなければならない理由はなんなのでしょうか。

 区は、手数料を収集・運搬部分と中間処理(=つまり清掃工場での焼却)・埋め立て処分との二つに分け、それぞれキログラムあたり2円ずつ値上げをすると説明していますが、少なくとも、収集・運搬部分は、経費削減が達成されている以上、値上げをする必要はありません。

 しかも、今回、23区一律に値上を行おうとしていますが、収集・運搬部分に関しては、清掃工場の有る区とそうでない区、収集・運搬の効率化の度合いなどにより各区でコストも異なり、23区が一律に手数料を定めることが適当であるとは考えられません。
 
 たとえば、となりの品川区では、家庭ごみ10kg超の部分と粗大ごみの手数料の値上げを見送っています。

 収集・運搬は各区が自主決定できる事項であり、自治権の視点からも手数料は大田区のコストに基づき自主的に定めるべきです。

 議会にも、値上げの根拠はコストとのかい離と口頭説明するのみで、この間のコストの内訳を明らかにする具体的資料の提供もありません。
 
 区民生活に大きく関わるごみの手数料の値上げが、このように簡単に決められてしまってよいのでしょうか。行政の説明責任、透明性の確保からも大いに問題ではないでしょうか。


なかのひと