FTA網拡大で豚肉の自給率が下がる(50%→5%)!?

メキシコから¥280/kgの豚肉が日本に

 今年は、気温が上がらなかったこと、日照時間の不足で、イネが10年振りの不作のようですね。私は、10年前は香港にいましたので、日本の米不足を体験していないのですが、皆さんは、緊急輸入されたカリフォルニア米やタイ米を召し上がったのでしょうか?(当時〜1990年代半ば〜香港在住の日本人は、日常的に、カリフォルニア米:錦、やオーストラリア米:ダブルラム、を食べていましたが)
 
 平成11(1999)年7月、食料自給率の維持・向上を目指す事などを明記した新しい農業基本法が成立しました。翌平成12年3月には、平成22年度の食料自給率(摂取カロリー)45%を達成するとした自給率目標を決定しています。45%の自給率が目標の日本の現在の食料自給率は、41%。これは先進国中最低の数字です。
 この自給率を、皆さんは高いと思われますか?それとも、低いと思われますか。
 さて、法律が制定され、目標までが定められたにも係らず、日本の自給率は下がる一方です。
 
 こうした中、対メキシコFTA(自由貿易協定)の交渉が行われています。日本−メキシコ間の関税を撤廃し、日本はメキシコに自動車の部品等を輸出する一方で、メキシコは日本に豚肉を輸出してくるだろうと言われています。
 2国間の関税を取り払う事で、日本は工業製品をメキシコに輸出することができる一方で、農業産物を関税無しで受入れる事になります。メキシコの農産物20%のうちの約半分は、豚肉であると予測しています。 
 メキシコの安い人件費と、糞尿処理の必要ない風土で育てられた豚は、kgあたり¥280前後で日本に水揚げできます。
 
 昭和36、7年には100万戸を超えた養豚農家は、豚肉輸入自由化時の昭和46年に約40万戸になり、現在では9430戸にまで落ちこんでいます。ここで、FTA締結になりますと、日本の養豚農家のほとんどは生き残れないのではないかとも言われています。

 養豚業界も、国産豚の品質の向上や、トレーサビリティーの確立など、消費者に受け入れられるための努力を惜しまない姿勢で、今回のFTAを乗りきろうとしています。

 みなさんは、安ければ、輸入した豚肉の方が良いですか?
 それとも、高くても安心・安全な国産の豚肉が良いですか?

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