政務調査費の領収書添付その1

議員提案と提案要件

 東京・目黒区の公明党区議団6人が政務調査費の一部を不適正に使っていたことがわかり、全員が24日、辞職願を提出した。
 区議6人は昨年度分の政務調査費として交付された1224万円のうち、約772万円を同日中に区に返還した。

 党本部によると、区議らは、私有車の車検代約5万円を「調査研究中の故障修理代」として請求したり、約15万円をカーナビゲーション購入に流用したりしていたほか、1人100万〜20万円を受け取った広報費や、電話代にも不明朗な支出があったという。

 地元のオンブズマン団体が同党区議団の政務調査費の使途を示す領収書を情報公開請求した結果、不正な支出があるとして10月31日に住民監査請求していた。(YOMIURI ONLINEより)
 

目黒区議の政務調査費に関する残念な出来事もあり、政務調査費の使途は、目黒区だけでなく、多くの区民、市民の関心事の一つになっています。
 
 大田区では、月額23万円の政務調査費が支払われています。
 使った政務調査費は、三ヶ月ごとに議長に報告することになっています。各会派では、領収書を添付し、議長に報告していますが、領収書添付の義務付けが条例の規定に無いため、報告の際に添付した領収書は、議会事務局のチェックを受けた後、各会派に戻されています。

 明日から始まる第四回定例会において、この、政務調査費の報告に際し、領収書の添付を条例に明記しようという議案の提案の準備が進められています。

 現在も、政務調査費の報告に当たっては、慣例として議長に領収書を添付していますが、領収書添付が義務になっておらず、また、それが条例に明記されていないため、大田区の政務調査費の領収書は、たとえ区民が開示請求しても開示の対象にはなりません。これを、公文書として位置づけ積極的に情報公開していこうというのが今回の条例提案の趣旨です。
 現在の区民の最大の関心事でもあり、是非、条文化したいと考えています。

 通常であれば、昨日の議会運営委員会において確認される予定でしたが、議案の提出者についての取り扱いが決まらず、再度議会運営委員会を開催することになっています。
 これは、提案者は、共産党の区議8名と一人会派の議員(犬伏秀一議員・野呂恵子議員)二人、そして、ネット無所属連合(荒木秀樹議員・内田秀子議員・私、奈須りえ)の13名を予定していたが、議会事務局より、欠席届を提出している議員は提案者になれないと指摘されたことが発端です。

 全国市議会議長会に確認したということでしたので、そのような決まりがあるのかと思いましたが、根拠を調べたところ、結果として、欠席者を提案者と認める認めないと相反する二つの解釈の存在することがわかりました。
 議会事務局からは、両論の説明を受け、あとは、議会運営委員会において大田区議会としての取り扱いを決定することにしました。

 欠席者を議案提案者と認める認めないの解釈をする双方ともに解釈権限を持たなかったことから、月曜日の議会運営委員会開催直前に、総務省に大田区議会の状況を説明し、どのように取り扱うか問い合わせたところ、

【地方自治法第百十二条】普通地方公共団体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる。但し、予算については、この限りでない。
○2前項の規定により議案を提出するに当たつては、議員の定数の十二分の一以上の者の賛成がなければならない。

 
 
 これは、議員提案する際の要件が明記されているわけですが、必要なのは、議員定数の1/12の議員の賛成であって、その定数は議会への出欠を問うものではない。つまり、欠席していても議案の提案者になれるということでした。(今回は、十分に1/12は満たしており提案に必要な議員数は確保しています。欠席者が提案者になれるかなれないかという問題です。)

 現在、議会事務局が総務省に確認をし、それを持って再度議会運営委員会を開催することになっています。

 欠席届を出してしまえば、議案の提案者になれず、欠席届を出さずに突然の欠席であれば提案者になれるような解釈であるとするなら大変おかしなことになります。
  
 そもそも議会とは、立法機関であり、かつ行政のチェック機関です。議案の提出権という、その議員にとって最も重要な権利のひとつに大きく係る事項に関し、議員の権利を自ら放棄するようなことがあってはなりません。また、議会事務局も十分な調査をしたうえでのアドバイスが必要であると考えます。

 総務省の調査の結果をもって、大田区議会としての取り扱いの議論をしたいと思います。