【高コストで不透明な購入の要因となる土地開発公社】/大田区の公有財産(=土地)の有効活用の課題④

 バブル期の地価高騰の時期には、自治体が購入しようとしても、意思決定や議決を待っている間に土地が更に上がり、購入できないケースがありました。
 こうした問題に対処し、不動産を先行取得するため作られたのが土地開発公社です。
 公有地拡大法に基づき、全国のほとんどの自治体が設置している土地開発公社ですが、そのメリットもなくなった今、はたして土地開発公社を存続させることのメリットは何でしょうか。
 存続させることのデメリットはないのでしょうか。

■役割を終えた土地地開発公社■
 
 東京都や、23区では千代田区・江戸川区は、土地開発公社を設置していせん。また市部では八王子市が平成16年1月に土地開発公社を解散しています。
 公有地拡大法に基づく土地開発公社の設立のメリットは、バブル期に地価上昇を待たず用地を先行取得できることにありましたが、現在では、先行取得することのメリットも無くなったと言っていいでしょう。 

 大田区土地開発公社の責任者は、大田区の管理職やOBで占められており、議員が評議員になってはいるものの、都度の土地購入に評議員が関与することはなく、結果として議会の議決というチェックをすり抜ける不透明でコスト意識に欠けた購入を促しています。

 これまで検証してきた大田区の現在の土地購入のように、とりあえずと言って購入する土地が増えれば、債務保証限度額(80億円)まで借りると利子負担(最近は2%をきっている)だけで少なくみても実に年間約1億6千万円。加えて人件費2400万円など、莫大な費用を負担することになります。

 公社が不適当な資産購入の隠れ蓑になっていないでしょうか。

【質問⑥】
 自治体で無くても財産取得になんら問題を生じていない「大田区土地開発公社」は解散すべき時にきているのではないでしょうか。
 加えて、東京都から専門知識をかわれ大田区に任期付き採用職員としていらしている「資産活用担当課長」にうかがいます。東京都で公社が無かったことによる問題がありましたか。

【答弁⑥】
 土地開発公社は必要。自治体特有の事情がある。


なかのひと