移送サービスを考える②

アンケートから

 今日は、移送サービスの現状を調査した結果の概略について。
 
 事業者の形態は、NPO(法人の取得の有無を問わず=市民事業)と運送事業者。(NPOのほうが多い。)
 利用料金は、NPOでは、時間で定めているところが多く、遠距離では割安になる傾向がありますが、近距離ではタクシーのほうが安くなる場合がありました。
 NPOの場合、料金の中には、燃料・自動車保険・人件費は含めるものの、NPOの場合に車両代を含めるところはほとんど無く、自家用自動車を使っていない時間、移送サービスに利用しているのが実態であることがわかりました。勿論タクシー会社は、それら全てが利用料金に含まれています。
 NPO、タクシー会社ともに抱えている問題点は、利用の時間帯が集中していて、ニーズに答えきれていないこと。利用の時間帯が集中するのは、通院などの利用目的が多いこととも関係しています。
 
 一方、利用者は、利用料金がもっと安くなれば、利用目的を広げ(余暇・趣味など)もっと利用したいと考えていることがわかりました。
 また、現在は、運転をしているため、必要がないが、年をとり、運転できなくなった時には、こうした移送サービスを使いたいと思っている人がいることも明らかになりました。移送サービス①で少しふれた「タウンモビリティー(=町の中での移動可能性)」の考え方の根底には、高齢化かすすみ、これまで、車を運転することで「モビリティー(=移動能力)」を確保していた人の「モビリティー」が失われてしまうことへの危機感があります。

 移送サービスは、こうした不足している移動する力をカバーする重要な役割を持っているわけですが、現行の法律では、運送法で認められた事業者(=タクシー会社など)以外のNPOなど市民事業が行う移送サービスは、違法であるという解釈になります。
 
 次回は、こうした現状の中で、この違法になってしまうNPO移送サービスの可能性を広げるため「構造改革特区」申請をした大和市の例を見ながら、現状の問題点についてお話ししたいと思います。