違法行為の前段階を取り締まる自警団的ボランティア組織を条例化「(仮称)大田区客引き客待ち防止条例」案

3月5日10時から防災・安全対策特別委員会で審議されます。

議案送付も他の議案に遅れ送付されたうえ、通常であれば、総務財政委員会で審議が当然だと思いますが、なぜか、特別委員会。これで、2日かけて審議のところ、1日審議で決めてしまう可能性が高くなっています。

大田区が、客引きは東京都に条例があるが、客待ちに対応できないと、昨年10月の議会で、自民党、公明党の新人議員が突然議会で質問したと思ったら、12月にはパブリックコメント募集。平成26年度第一回定例会にかけられているのが、「(仮称)大田区公共の場所における客引き客待ち行為等の防止に関する条例」(案)です。

【条例案のどこが問題?】

以下のような部分に問題が有ると感じています。

風俗を取り締まると言っていますが

①取り締まる対象があいまいで、社会活動、政治活動など表現の自由を侵害する恐れがある

②実際の行為で無く、「客待ち」という違法行為の前段階を取り締まることを目的としており、恣意的な拡大解
釈が限りなく可能である

③行政の持つ個人情報を警察情報との連携をあいまいな根拠・基準でみとめる
 区長が個人情報を警察に提供できると条例に示せばよいものではない。条例上の目的を達成させるだけの理由で、大田区の個人情報を警察に情報提供することは濫用にならないか

警察権限を大田区、そして大田区から委嘱されるボランティアに与える

⑤「指導」「警告」「勧告」「公表」という権限の行使の基準があいまいで恣意的になる恐れがある

⑥結果として、表現の自由が自粛される恐れがある

⑦取り締まりは飛躍的に拡大するが、住民は区長に意見を言う場が与えられるだけで処分についての不当を審査するしくみが無い

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【行政の議会軽視は住民軽視】

 

26年度予算案には、条例も可決していないのに、(仮称)「客引き客待ち条例」の予算がついています。

しかも、平成26年2月28日には、大田区のHPに職員募集が掲載されました。

職員募集には、条例が否決された場合には無効という文言すらありません。

予算も、条例も100%可決が前提とは、大田区議会も軽く見られたものです。

このような重要な条例については、議会に置いても十分な審議を求めるものです。

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「(仮称)大田区公共の場所における客引き客待ち行為等の防止に関する条例」(案)のパブリックコメントにみる気になる部分について、表に加えてみました。

 大田区の考え方は、単にコメントに過ぎず、意見を反映しているか否かは、条例文に反映されているかによります。たとえば、11で社会運動や政治活動は対象としないとしているが、条例に明文化すると言っていませんが、24では、警察と大田区との関係を条例に明文化するとしています。

 パブリックコメントの大田区のコメントは、何ら条例文を拘束するものではありません。

 今や安倍政権は、憲法を解釈で変えようとしていますし、法律の逐条解説も閣議決定で変える(構造改革特区法)解釈改憲ならぬ解釈法改正をしようとしていますから、条例のパブリックコメントに何と書かれていようと、問題は、条例分に何が盛り込まれるかです。

 大田区は、一昨年の空家条例の時に、パブリックコメントで、他の条例で対応していると嘘の回答までしている前例がありますから、油断は禁物です。

 あくまで、条例文に反映されているのかで判断すべきです。

 以下、大田区HPに掲載されたパブリックコメントで提出された意見の要旨と区の考え方について、気になる部分を表、右に加えました。

 「(仮称)大田区公共の場所における客引き客待ち行為等の防止に関する条例」(案)に対するパブリックコメントの実施結果について

意見提出期間

平成25年11月25日(月曜日)から12月15日(日曜日)まで

意見の提出件数等

提出者数 23名
提出意見数 47件(うち同趣旨意見19件)

内訳

メール 17件
直接提出 3件
FAX 2件
郵送 1件