セーラム市友好親善(その1)

セーラム市の学校

 大田区の姉妹都市であるマサチューセッツ州のセーラム市に行ってきました。
 
 セーラム市では、セーラム市の教員の研修日にあたっていたため、教育長をはじめ小学校から高校までの先生が一同に会している場にうかがわせていただくことが出来ました。
 
 セーラム市には、幼稚園から高校まで約5000人のこどもたちがいます。
 小学校は7校あり、6校はキンダーから5年生まで。残り一校は8年生まで。6年から8年生までのこどものいる中学校が一校。他に高校が1校あります。
 アメリカの地域によっては、進学校と職業校とが分かれているところもあるそうですが、セーラム市では統合して教育を行っています。
 
 ここ数年は、マンションなどの開発により20代から30代の若い世帯が移り住んできていることにより生徒数も増えているそうです。大田区でも、一部の地域において外国人の子供への日本語指導が課題になりつつありますが、セーラム市の学校の中には、40%がスペイン語が母国語であり、75人が英語を理解しないこどもである学校もあり、英語教育が大きな課題になっています。しかし、英語力や学習能力でのクラス分けは行っていないということでした。
 
 そもそも、セーラム市のあるマサチューセッツ州は、全米でも、コネティカット州・メリーランド州に並ぶ教育水準の高い週で、ここ十年間は、前出2州とともにPSATもトップクラスの成績を収めています。
 更に、マサチューセッツ州では、PSAT以外にも、州独自の共通テスト(=MCAS)を行い教育水準の維持に努めています。
 そうした中にあって、セーラム市も2年制4年制を含めた大学進学率は高く80%。就職に10〜12%。その他5〜6%。軍に入るのは1%以下といういことでした。

 セーラム市では、「よい選択のできるこども」を育てることを基本に、教育が行われています。友人・食品・コンピューターのプログラム・・・・。生きていくうえで、私たちは、常に何かを選択するという作業を行っているわけだが、その多くが無意識に行われていることを思うと、セーラム市の教育長の「よい選択のできる」こどもを育てることを意識してこどもに教えていく姿勢には、新鮮な驚きがありました。
 
 また。セーラム市では、親への教育にも力をいれていて、問題のあるこどもや親へのカウンセラーや助言を行っています。
 
 日本では、プライベートな問題でもあり、介入が困難であることが、家庭への支援を阻んである部分も少なくありませんが、その部分についてたずねると、以前は、そうした傾向が見られたものの、現在は、差し伸べられた手を歓迎する風潮に変わってきているということでした。
 
 日本も近い将来そうした傾向に変わってくることも視野に入れれば、地域での家庭への支援の重要性はますます高まっていくものと思われました。