大田区の地下を縦断するリニア新幹線(中央新幹線)環境影響評価方法書についての説明会に参加して

当日配布資料

リニアモーターカー(中央新幹線)の営業・建設主体が東海旅客鉄道㈱(JR東海)になったことを受け、JR東海が10月26日に大田区蒲田のアプリコ大ホールで行った環境影響評価についての説明会に参加しましたので報告します。

簡単な資料が配布され、東京—大阪間を1時間で結ぶリニア新幹線の計画概要、超電導磁気浮上式鉄道の原理や路線の概略(東京-名古屋市間)ルート、施設・設備の概要などとともに今後のおおまかなスケジュールが示されました。

説明の後、質疑応答に時間があてられました。

一人3点程度と限定されたため、私は、次の2点について質問しました。

第一点は、ルートの問題です。

スピードが重視されるうえ、地下40m程度の大深度地下を走ると聞き、直線ルーとが採用されるものだとばかり思っていましたが、配布された資料に示された幅3kmの路線は、直線では無く曲線ルートがとられています。
このことについて、何故直線ルートでは無いかとということと、ルート選択に影響する項目についてうかがいました。

JR東海からは、大深度地下(40m程度)トンネル施行のため、5〜10kmごとに換気や避難のための立抗や施行ヤードを計画している。
用地確保の観点から、都内においては、既存新幹線ルートをとりそこからは、用地確保の出来る場所という視点で採用しているということでした。

この説明により、品川付近から新幹線の線路に沿って多摩川に向ったのち、西にルートがとられている理由がわかりました。

配布されたパンフレットには、外に、自然公園区域などへの設置することを出来る限り回避することや、多摩ニュータウンと町田の既成市街地の間を通過すると説明されています。

西にとられたルートから更にわずかに北に向きを変え、その後西北に進みますが、名古屋までの概略の路線も、決して直線とは言えません。山間地を走ることになれば、換気や避難のための立抗確保は更に困難で、リニアの効率性から考えれば直線ルートが最適ですが、簡単なことではないことがわかります。

次に確認したかったのが耐震性の問題です。

採用した基準は、東日本大震災以前の基準であり、新基準にはなっていないという説明でした。

そこで、変わる可能性があるのか。
変わった場合、環境影響評価方法は変わる可能性があるのか。やり直すのか。

についてうかがったところ、基準がかわったとしても影響は大きく無く、環境影響評価はやり直さない。という回答でした。

また、説明を受けて、驚いたのが磁気の強さの問題でした。

電車内は、車体により時期から守られていて、ホーム内も線路とホームを隔てる壁が磁気を遮断するしくみになっています。問題は、車体からの乗降時ですが、飛行機からの乗り降りの際に機体と空港ビルをつなぐボーディングブリッジのようなものが設置され、磁気から守る仕組みになっているそうです。

避難時には大深度地下から最寄りの立抗まで歩き外部へ避難すると説明を受けましたが、そうした際の電磁波との関係などについての説明が無く気になりました。

評価方法書の縦覧は10月27日で終了。意見の受付期間は9月27日〜11月10日です。

リニア新幹線の計画概要

【名称】
中央新幹線

【事業実施区域の起終点】
起点:東京都港区 品川駅付近
終点:愛知県名古屋市
主な経過地:甲府・赤石山脈(南アルプス)中南部・名古屋

【走行方式】
超電導磁気浮上方式

【最高設計速度】
505キロメートル/時

【路線概要】
品川駅付近、名古屋駅付近。ほか、神奈川県内、山梨県内、長野県内、岐阜県内にひと駅づつ設置の計画。

当日配布資料P3(東京-名古屋市間)ルート

添付ファイル