大田清掃工場、品川清掃工場で行われる災害廃棄物受け入れについての説明会開催の経緯

説明会が開かれるのは喜ばしいことですが、これに至った経緯はどのようなものなのでしょうか?
まさか、行政から自発的に申し出たわけではないと思いますので。

というご質問をいただきました。


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同じ災害廃棄物ですが、受け入れには2つのルートがあります。

①東京都が産業廃棄物処理業者に委託
 既に、岩手県宮古市の災害廃棄物を1000t。すでに。先行受入れしています。(11月3日〜12月初旬まで)

②東京都が東京二十三区清掃一部事務組合と市にお願い(合意とも言っている)
 宮城県女川町の災害廃棄物10万t。

このうち、①の説明会は開催されていません。
今回の説明会は②についてです。

それでは、なぜ、①は、説明会も開催せずに処理が始まり、②は説明会をするのでしょうか。

それは、①が、民間の産業廃棄物処理業者なのに対し、②の処理を行う中に、自治体(23区の場合には東京二十三区清掃一部事務組合)の清掃工場があるからです。
今回の説明会も、試験焼却を行う、大田清掃工場と品川清掃工場の周辺で行ないます。

加えて、清掃工場は、操業にあたり「操業協定書」などを周辺住民と締結していて、その関係もあると思います。

試験工場として大田清掃工場と」品川清掃工場が選ばれたのも、周辺住民が他の清掃工場より少なく、影響が少ないと判断したのではないかと思われます。

大田工場に至っては、建て替え説明会などでも集まるのは、清掃工場がある京浜島に立地する工場で働く方たちがほとんどです。

しかし、ここには、いくつかの疑問があります。

(1)清掃工場は、自治体のごみを処理するための施設ですが、外部からの持ち込みごみを東京都という”よその”自治体から処理しろと言われて処理してよいのか。

特に、操業協定には、ごみの種類などが書かれていますが、「自治体外」の「混合ごみ」である災害廃棄物を清掃工場で焼却できると解釈できるかどうかが大きなポイントになるでしょう。
たとえば、現在大田清掃工場で焼却できるのは可燃ゴミですが、瓦礫まで含んだ混合廃棄物が可燃ごみと呼べるでしょうか。

(2)仮に、23区の区長が良いと言ったとしても、23区の区長全体の意思決定機関は無い。

(3)東京二十三区清掃一部事務組合は23区のごみを共同処理する公共団体。自治体の長にあたるのは、23区区長会の会長(=管理者と呼ばれている)。しかし、決定権は持たない。仮にあるとすれば、一組評議会がそれにあたるが、決定機関ではない。

(4)最終的には、国が負担する災害廃棄物処理費用ですが、清掃工場で焼却する以上、費用負担が生じるわけで、想定していない自治体外のごみとなれば、補正予算の計上が必要になるのではないでしょうか。
その場合には一組議会の開催も必要ではないでしょうか。
一組議会の議員は、23区の議長ですが、すでに議決は終わっているのでしょうか?

報道でも二十三区一部事務組合でも、区長会が決定したと言っていますが、本当に決定したのかどうか確認する必要があります。
大田区の課長は、決定していないと委員会答弁しています。

東京二十三区清掃一部事務組合の出した書面で決定としていますが、曖昧な合意から受け入れを既成事実化しようとしている可能性もあり、民主主義の手続きをふんだ受け入れかを確認することも重要です。

明日の説明会で明らかになるでしょうか。